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知れば知るほどうまくいく〜障害者雇用エピソード100 障害者雇用コンサルタント 初瀬勇輔氏トークコラム
知れば知るほどうまくいく〜障害者雇用エピソード100 / 障害者雇用コンサルタント 初瀬勇輔氏トークコラム
 
障害のある、ないにかかわらず、社内でのやり取りにおいて、勘違いや行き違いというのはありますね。自分ではこう伝えたつもりだったのに、相手は違う受け取り方をしていた・・・というのはよくある話──今回は、管理者だった初瀬さんのそんなエピソードです。
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episode2:第2話 指示代名詞で指示するな!
第2話 指示代名詞で指示するな!
 

知的障害の社員への指導? 怖いな、うまくできないんじゃないか・・・

こんにちは。障害者雇用コンサルタントの初瀬です。

今回は指示代名詞についてのエピソードです。

「こそあど」言葉とも言いますね。
これ、それ、あれ、どれ、こんな、そんな、あんな、、、普段は何気なく使ってしまう指示代名詞ですが、障害者雇用の現場で使うと混乱の種となることがあります。

就職して間もない頃の話です。知的障害のある社員への指導を任されました。

私は、不安で胸が押しつぶされそうになりました。

それまでの人生の中で知的障害の方とかかわったことがなかった私にとって、その社員とのコミュニケーションはまったくイメージできないものだったからです。「怖いな、うまくできないんじゃないか」というのが当時の素直な感想でした。
 

えっ、みんな普通じゃん! 先入観を持っていた自分が恥ずかしかった。

指導を任されてから数日間で、私の不安は完全に解消されました。

私の担当していたのが障害の軽度の方の多い部署だったこともあり、とてもスムーズに指導ができました。

先入観を持って何となく構えてしまっていた自分が恥ずかしくなったほどでした。そして、知的障害の方と一緒に働き、指導をすることが喜びになり、これぞまさに自分の天職ではないかと感じてきました。

ところが・・・
 

天職に落とし穴が・・・

1ヶ月ほど経った頃、天職とまで思っていた仕事に影がさしてきました。

私としては丁寧に一つずつ仕事を教えていたはずなのですが、伝わらないことが目について増えてきました。

「はい!」と元気よく返事をして仕事をはじめたAさんが、指示した場所とは違う方向へ向かっていきます。

「・・・・・・」

呆然としていた私に、先輩が声をかけてくれました。
 

“あれ”が悪い。“あれ”じゃわかりませんよ。“あれ”って何ですか?

「Aさんへの仕事の指示を聞いていたけど、“あれ”じゃ伝わらないよ。間違えるもの無理ないよ」
「えっ? でも、僕なりに丁寧に教えているつもりだったんですが・・・。どこがいけなかったんでしょう?」

先輩はこう言いました。

「“あれ”が悪い」

「えっ?」
「だから、“あれ”が悪いと思うよ」
「“あれ”じゃわかりませんよ。“あれ”って何ですか?」

先輩は穏やかな声でこう言いました。「だから、“あれ”とか“これ”とかじゃ伝わらないと思うよ」

私は、はっとしました。
 

自分だったら困ることを相手にやっていた・・・反省、そして改善!

Aさんに指示するとき、私は「あれを」や「こっちで」を多用していました。

私自身が目が悪いため、指示代名詞で話をされると困ることがわかっていたのに、同じことを知的障害の方にしていたのです。

気づいていて当然のことを見落としていた体験でした。

そこからは、またしっかりと指示・指導ができるようになりました。
教えてくれた先輩とAさんには心から感謝しています。
 

指示代名詞を使わない練習をやってみましょう!

皆さんも指示代名詞をできるだけ使わずに話をしてみませんか。

意外というか当然というか、なかなか難しいですよね。
いかに普段、「これ」とか「あれ」とかに助けられ、相手の類推力のお世話になっているかがよくわかります(笑)。

私も最近はめっきりと指示代名詞が会話に増えてきてしまっています。「あれあれ、それそれ、そのときのあれ、、、」みたいな(笑)。

指示代名詞を使わない練習は、脳の訓練にもなるかもしれませんね。
ぜひ、皆さん、お試しあれ!
 
 
 
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