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知れば知るほどうまくいく〜障害者雇用エピソード100 障害者雇用コンサルタント 初瀬勇輔氏トークコラム
知れば知るほどうまくいく〜障害者雇用エピソード100 / 障害者雇用コンサルタント 初瀬勇輔氏トークコラム
 
積極的に障害者を雇用したいと考えている企業が増加しているにもかかわらず、なかなか進まない精神障害者雇用。何となく怖い、社内の理解を得にくい、接し方がわからない・・・などのイメージを持たれがちな精神障害者ですが、実際は?──今回はそんなエピソードです。
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episode5:第5話 精神障害の方のイメージって!?
第5話 精神障害の方のイメージって!?
 

企業の多くは避けようとしてしまう。その理由は?

こんにちは。障害者雇用コンサルタントの初瀬です。

今回は、精神障害者の雇用についてお話します。

障害者雇用率が2.0%に上がり、多くの企業が積極的に障害者を雇用しようとしていますが、これからの障害者雇用の中心となっていくのは精神障害者ではないかと私は考えています。

というのは、知的、身体と比べるとまったく雇用が進んでおらず、就労の意欲が高く能力もある多くの精神障害者が働けていないという現状があるからです。320万人以上もいる精神障害者の中で就労しているのはたったの3万人。1%にも満たないのです。

これって、もったいないことだと思いませんか?

障害者雇用を考えている企業の多くはどうしても精神障害の方を避けようとしてしまいます。その理由は、何となく怖い、社内の理解を得にくい、接し方がわからない、管理がたいへんそう・・・などさまざまですが、そのほとんどは、実態をご存じないからの思い込みに基づくものだと感じます。

そして、私も思い込みをしてきた一人です(苦笑)。

精神障害の方と一度も接したことがなかったのに、何となく“おっかない”という印象をずっと持っていました。

今回は、その思い込みが間違いだったと気づき、学んだ経験をお話しましょう。
 

イメージが変わった。でも、理解できていたわけじゃなかった・・・

私が特例子会社に入社して間もない頃の話です。

休憩スペースでよく会っていたのが総務部のAさんでした。 最初は会釈程度だったのですが、あちらから話しかけてくれたのをキッカケに少しずつ話をするようになっていきました。

Aさんは、クールな好青年でした。他の同僚に聞くところによると仕事も相当にできるとのことでした。私が在籍していた特例子会社では、ほとんどの社員が何らかの障害を持っていましたので、Aさんも障害を持っているはずなのですが、どんな障害なのか、どうにもわかりません。からだの不自由なところもなさそうだったので、心臓や腎臓などの障害なのかなと思っていましたが、あるとき思い切って同僚のSさんに尋ねてみました。社内にはお互いの障害を理解し、できないところは助け合うという雰囲気があったので。

私「Aさんの障害って何ですか?」
Sさん「ああ、言ってなかった? Aさんは精神障害者ですよ」

私は一瞬言葉に詰まってしまいました。あまりにも自分の思い込んでいた精神障害の方のイメージとAさんが違っていたからです。

そんな気持ちを素直にSさんに伝えるとこう応えてくれました。
「僕も精神の人って何だかおっかないと思っていたから、Aさんと会ってびっくりしたよ。しっかりしているし、仕事もできるし、責任感も強いし」

その日から、私の精神障害の方に対するイメージは、それまでとまったく違うものになりました。

でも、それは・・・

決してAさんの苦手な部分までを理解したわけではありませんでした。
 

突然の退職・・・その理由は?

入社して半年が経ち、仕事にも慣れはじめた頃、1通のメールが届きました。それは、Aさんの退職挨拶でした。

最近、休憩スペースで会っていませんでしたが、もともと部署が違うのでAさんがお休みされていたことにまったく気づいていませんでした。

後日、SさんにAさんの退職の理由を聞きました。

人一倍責任感が強く仕事のできるAさんにはどんどん仕事が回ってきていました。そして、その質も量もどんどん増えていった頃、タイミングの悪いことに、総務部の社員が産休に入ることになり、その仕事もAさんに回ってきたとのことでした。

相談することもできず、大きなプレッシャーの中でAさんは仕事が続けられる状態ではなくなっていったそうです。

私はそんなAさんに気づいてあげられなかったこと、相談してもらえなかったことをとても残念に感じたことを覚えています。
 

精神障害の人をどう雇用すればいいですか?

「精神障害の人をどう雇用すればいいですか?」とよく聞かれます。

短時間の勤務からスタートした方が望ましいとか、休憩を小まめにとってもらうとか、プレッシャーを余りかけないようにするとか、一般的に言われていることはたくさんあります。

でも、一番大切なことは何でも言える雰囲気をつくることだと私は思っています。本人と毎日コミュニケーションをとり、どういう配慮が必要か、仕事の量や質はどうか、体調はどうかを話し合えるようにしておくことが精神障害の方の能力を活かし、上手に雇用することにつながるのです。

精神障害の方は、責任感が強く仕事ができる方が多いです。

ただ、その責任感のため、頼まれたら断れなかったり、プレッシャーを感じすぎたりするようです。私にはわかりませんでしたが、まさにAさんがそうだったようです。

人によって得意不得意が大きく違うのも精神障害の方の特徴かもしれません。そのため、配慮するにしても一般的なポイントは、当てはまらないことも多いです。だからこそ、コミュニケーションを大切にして欲しいと思います。
どうしても頑張りすぎてしまう人が多いので、キツイときにキツイと言える環境、何でも相談できる環境があって、仕事の質と量をコントロールできていれば、Aさんは今でも退職することなく活躍していたことと思います。
 

精神障害者雇用のすすめ。

私はAさんと出会ったことで精神障害者への間違った思い込みをなくすことができました。そしてその後もたくさんの精神障害の方から当初のイメージが間違っていたことを再確認させてもらっています。

皆さんは、今まで何人の精神障害の方と会いましたか? 何人の精神障害の方とお話しましたか?

まずは、会って、話して、感じてみてください。 これから出会う方が皆さんのイメージをきっと変えてくれることをお約束します。
 
 
 
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