スペシャル連載コラム「社会福祉士・青嵐さんの自立支援の現場から」障がい者福祉について考え続けるうちに〜「自立」とは何か?〜

第1回 「仕事」についてもう一度考えてみる必要があるのでは?

私は障がいを持つ方の支援を考えるうえで「自立」という意味の定義はさけては通れないと考えている。もちろん、その定義は人によって違うし、置かれた状況や立場によっても違ったものになることは重々承知している。しかし、そのような中でも多くの人に理解してもらえる普遍的な意味があるのではないかと思うし、また定義を確立できなければ障がいを持つ方の「自立」に向かっての支援の方向性など決められないのではないかと考える。

遅ればせながら私は、生活介護および就労継続支援B型を経営している多機能型事業所で働いている職員である。現在は、就労支援の一環として藍染と藍の栽培も行っている。

私は、「仕事」というものには人として生きていくために重要な意味があるのではないかと考える。「仕事」といえば会社に雇われ給与をもらうことと想像しがちだが、専業主婦と呼称されるご婦人たちも膝にじゃれつく子犬の散歩を行う老紳士もりっぱに「仕事」をしていると考えている。「仕事」とは社会において必要とされていることを行うことと考えるからである。人というものは人間関係の中において初めて人として存在できる。そして、人間関係の中で立つ場所がなければ生きてはいけないものだ。「仕事」というものは人間関係の中において自分自身が立つ足場のようなものだと思う。

最近よく「自分に合った仕事」「個性を生かせる仕事」といった言葉をよく耳にする。私は今の「仕事」が自分に合っているとは思っていない。そこに「仕事」があるから、社会に必要とされている自分を確認したいために毎日職場へ通っているのだ。個人のために「仕事」があるのか、それとも社会が必要としている「仕事」を個人が行うのか━━私たちは「自立」に向かって支援を行う以上、「仕事」についてもう一度考えてみる必要があるのではないか。工賃の額や一般就労だけを目的とするのではなく、「仕事」を通じて社会という人間関係の中で一人の人間として立つ場所を確保していくことも「自立」に向けての重要な要素なのではないだろうか。
第2回へ続く。
 
青嵐 
生活介護・就労継続支援B型多機能型事業所職員。福祉の世界にとらわれない客観的かつ冷静な視線で、障がい者の「自立」とはどんなことかを考えて続けている社会福祉士。かたわら、伝統技術の習得に真剣に取り組む藍染師でもあります。
 
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