障がい者スポーツファイル「ハンドサッカー」
障がい者スポーツファイル「ハンドサッカー」
重度障がいの子も一緒に戦える競技!
クラスのみんなで一緒にできるスポーツがほしい──子供たち(生徒たち)のそんな思いを受けた先生たちが試行錯誤を繰り返しながらルールを練り上げ、2校、5校、10校…と東京都下の肢体不自由特別支援学校を中心にその輪を広げてきた競技「ハンドサッカー」。皆さんはご存知でしたか? 障がいの状態を問わず、だれでも参加することができるスポーツをユニバーサルスポーツと呼ぶのなら、まさにハンドサッカーは文字通りのユニバーサルスポーツ。他のスポーツに参加することの難しい重度障がいの子供たちも、仲間たちと一緒に試合に出場することのできる、数少ない競技の1つです。


ハンドサッカー フォトギャラリー
 
 

★ハンドサッカーって?

ハンドサッカーは、FP(フィールドプレーヤー)4名、SS(スペシャルシューター)1名、PG(ポイントゲッター)1名、GK(ゴールキーパー)1名の7名のチーム同士が得点を奪い合い、勝敗を争うハンドボールに似た競技。個々の選手のチャレンジをルールに組み込むことにより、他の競技には参加しにくい重度障がいの選手も出場できるよう考えられたユニバーサルスポーツです。
障がい者スポーツファイル「ハンドサッカー」とは?

その原型は、東京都下の各肢体不自由特別支援学校の先生たちが「さまざまな障がいの状態の生徒が授業で一緒に行える競技をつくりたい」と試行錯誤した結果生まれたもの。先生たちのさまざまな工夫が盛り込まれたものでした。

1989年には、各学校の先生たちがそれぞれ創意工夫していたルールを統一しての交流試合を開催(第1回ハンドサッカー大会)。東京都内の肢体不自由養護学校の研究会(都肢研)に出席した先生たちが互いに自分の学校の体育の授業で行っている球技を紹介しあった際、授業の内容が同じようなものだったことから「交流試合を行ってみてはどうか」という話となったことがキッカケでした。

第1回の2校から第3回には3校、第9回には6校、第12回には10校・・・と大会の参加校を増やし、現在は東京都内の高等部のあるすべての肢体不自由特別支援学校で行われているハンドサッカー。その輪は、東京都下だけでなく関東近県の肢体不自由特別支援学校や、肢体不自由特別支援学校卒業生たちへと広がっています。

2013年に開催される第13回全国障害者スポーツ大会でオープン競技として実施されることも決定。他の競技と一線を画す理念をもつ肢体不自由特別支援学校発の球技として、ハンドサッカーは、さらにそのファンを増やしていくことでしょう。
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★ハンドサッカーの特長!

障がい者スポーツファイル「ハンドサッカー」の特長

◎重度障がいの選手も主役になれる競技!
投げるのが難しい、走るのが苦手、自分だけでは車いすを動かせない、自分の意思を表現するのが苦手・・・そんな人たちも、自分自身の限界にチャレンジすることによってチームに貢献できる! 他の競技に参加しにくい重度障がいの人でも、勝敗を左右するようなシュートを決めることができるのがハンドサッカーです。
>> ハンドサッカーならではのポジション「SS」「PG」をチェック!
 
◎障がいの状態や能力を問わず参加できる競技!
勝ち負けのある競技でありながら、障がいの状態や能力を問わず、すべての人が参加することができ、それぞれの役割を担うことができる──ハンドサッカーは、教育の現場から生まれたスポーツならではの、その理念を大切にしている競技です。
◇ハンドサッカーの理念〜 「ハンドサッカーとは、既存の競技では十分に対応しきれない様々な実態の障害をもつ子ども達に合わせ、活躍の場を広げ、個々の能力を引き出し、心身を健全に育成するために考え出された競技である。ハンドサッカーのプレイヤーおよび指導にあたる者はこの根本に流れる精神を大切にし、競技・指導に努める。」(ハンドサッカー競技規則序章より)
 
◎選手だけでなく、パパ、ママ、先生も熱くなる競技!
出場している全選手が、それぞれに活躍できるのがハンドサッカー。他の競技には参加しにくい選手でも、シュートのときは会場中の視線を一身に集める、まさに主役! それだけに、選手たちのチャレンジを、手に汗して見守るパパ、ママ、先生たちの気持ちの入り方も別格! わが子が、教え子が、自らの課題をクリアし、見事シュートを決めたときの盛り上がりも頷けるというものです。
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★主なルール・ポジション!

ハンドサッカーの主なルール・ポジション
ハンドサッカーは、1チーム7名の選手が、それぞれの方法(課題)により相手ゴールを狙い、得点を奪い合い、勝敗を競う球技です。

>> 拡大版を見る
>> コート図を見る
【上図記号】PG=ポイントゲッター、SS=スペシャルシューター、FP=フィールドプレーヤー、GK=ゴールキーパー

試合は、前後半各5分または4分(各大会事情により変更もあり)。バウンズボール(主審によりセンターサークル中心で弾まされたボールを、FPが弾き合うこと)により開始され、FP(フィールドプレーヤー)のシュート、FPによりパスを受けたSS(スペシャルシューター)またはPG(ポイントゲッター)のシュートにより得点。試合時間終了時点で得点の多いチームが勝ちとなります。  >> 詳細は「★試合の流れ!」をチェック!
 
ハンドサッカー:ポジション
ハンドサッカー:FP / フィールドプレーヤー
FP / フィールドプレーヤー
相手エリアに攻め込んだり、自分たちのメインゴールやSSエリア、PGエリアを守ったり、攻守交代を行うプレーヤー。相手のメインゴールを狙ってシュートを打ったり、味方のSS、PGにパスを出したりします。FPがどれだけSS、PGを活かしているかも、「障がいの状態を問わず、チームのみんなで戦う」ことを理念としているハンドサッカーの見どころの1つです。
FPのボールの保持時間・方法
FPのボールの保持時間、保持方法は、その選手の運動機能や状態により、決められています。
【保持時間】運動機能に制限の少ない選手は5秒、制限の多い選手は10秒。
【保持方法】上肢の運動機能に制限が少なく、上肢でのボール保持が可能な選手は「ボールキャッチ」、上肢の運動機能に制限があり、上肢でのボール保持が困難な選手は身体や車いすにボールが当たった時点でボール保持とみなす「ボールタッチ」。
ハンドサッカー:FP / フィールドプレーヤー ハンドサッカー:FP / フィールドプレーヤー ハンドサッカー:FP / フィールドプレーヤー ハンドサッカー:FP / フィールドプレーヤー ハンドサッカー:FP / フィールドプレーヤー
手動車いす、電動車いす、立位を問わず、「5秒キャッチ」の選手は白色のハチマキ、「5秒タッチ」の選手は黄色のハチマキを身につけます。
ハンドサッカー:PG / ポイントゲッター
PG / ポイントゲッター
相手と競うと同時に、自分自身の限界にチャレンジすることによりチームに貢献することができるハンドサッカーならではのポジション。コート右外のPGエリアでパスを受けると、1得点と、あらかじめ決められた自らの方法(課題)によるメインゴールへのシュート機会を得ることができます。
ハンドサッカー:SS / スペシャルシューター
SS / スペシャルシューター
PG同様、ハンドサッカーならではのポジション。コート左角のSSエリアでパスを受ける、またはパスを受けてからSSエリアに入る(車いすの場合はすべての車輪が入る)と、あらかじめ決められた自らの方法(課題)によりサブゴールへ2本のシュートを打つ権利を獲得することができます。

←SSは赤ハチマキを身につけます。
PG、SSのシュート方法・ボール
投げる、蹴る、ヘディングなどのほか、スタンドにセットしたボールを車いすで押し出したり、手作りのスロープなど専用の補助具を使ってボールをリリースしたり、SS、PGのシュート方法は選手ごとさまざま。使用するボールもいろいろです。
ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター
ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター
自分のチャレンジのスタイル(投げ方)で、成功確率50%の難易度で設定されたシュートを決めたとき、選手たちはチームの一員としての仕事を成し遂げた喜びを爆発させます。

ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター ハンドサッカー:SS、PG / スペシャルシューター、ポイントゲッター
バレー、バスケット、サッカー、ボッチャ、テニス、大きいもの、小さいもの・・・ボールもいろいろ。
ハンドサッカー:GK / ゴールキーパー
GK / ゴールキーパー
サッカーやハンドボールなどと同様、相手のシュートからゴールを守るポジション。FPと一緒に相手ゴールへ攻め上がることもあります。
 
ハンドサッカー:得点方法
ハンドサッカー:FPまたはGKの得点
●FPまたはGKの得点
FPまたはGKのシュートにより、ボールが相手メインゴールのゴールラインを完全に通過し、ゴールに入った場合、3得点となります。
ハンドサッカー:PGの得点
●PGの得点
タッチ適用の選手やGKに触れられることなく、FPからボールを受けた場合、その時点で1点。さらに、メインゴールにシュートを打ち、メインゴールのゴールラインを完全に通過し、ゴールに入った場合、1点追加。計2得点獲得となります。

ハンドサッカー:PGの得点
ハンドサッカー:SSの得点
●SSの得点
自らの方法(課題)でサブゴールにシュートを2本打ち、サブゴールのゴールラインを完全に通過した場合、各1点。2本とも成功すれば計2得点獲得となります。
 
ハンドサッカー:その他
ハンドサッカー:コート
コート
ハンドサッカーの公式コートは、ゴールエリア、5秒・10秒選手のシュートライン、PGエリア、SSエリア、メインゴール、サブゴールなどで構成されています。
>> コート図拡大版を見る

ハンドサッカー:コート/ゴールエリア&10秒選手シュートライン(赤いライン)と5秒選手シュートライン(白いライン) ハンドサッカー:コート/PGエリア ハンドサッカー:コート/SSエリア ハンドサッカー:コート/メインゴール ハンドサッカー:コート/サブゴール
写真左から、ゴールエリア&10秒選手シュートライン(赤いライン)と5秒選手シュートライン(白いライン)、PGエリア、SSエリア、メインゴール、サブゴール。
 
道具
ボールを入れるポケット、車いすのガード、シュート時に使う補助具・・・など、選手たちはそれぞれ工夫しています。
ハンドサッカー:道具 ハンドサッカー:道具 ハンドサッカー:道具 ハンドサッカー:道具 ハンドサッカー:道具
写真左から、手づくりのボールホルダー(ボールを保持する際、入れておくホルダー)、好きな写真を貼った手づくりのボールホルダー、車いすの前面につけるガード、目立ち度大のガード、シュートの際使う補助具。
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★試合の流れ!

ハンドサッカーの試合の流れを、ヴァーチャルゲームで紹介しましょう!
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/試合開始バウンズボール
(1)バウンズボールで試合開始
試合は、両チームのFP(車いすプレーヤー)の間でバウンドさせたボールを取り合うバウンズボールでスタートします。
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/FPが相手エリアへ
(2)FPが相手エリアへ
ボールを取ったチームのFPたちがパスをつなぎながら、ゴール、PGエリア、SSエリアを目指します。
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/FPが相手エリアへ ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/FPが相手エリアへ ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/FPが相手エリアへ
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/PG、SSへパス、またはFPがシュート
(3)PG、SSへパス、またはFPがシュート
PGにパスを出すか、SSにパスを出すか──FPがハンドサッカーならではのシュート機会を演出します。状況によっては、FP自らシュートを放つことも!
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/PG、SSへパス、またはFPがシュート ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/PG、SSへパス、またはFPがシュート
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/PG、またはSSがシュート
(4)PG、またはSSがシュート
FPからパスを受けたPG、またはSSがそれぞれの課題にチャレンジ! それぞれのシュート方法で得点を狙います。
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/PG、またはSSがシュート
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/ゴール
(5)ゴール
シュートが決まると、PGならば計2点(パスを受けた1点+シュート成功の1点)、SSならば計2点(サブゴールへの2回のシュート成功)、FPならば3点(メインゴールへのシュート成功)獲得。
ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/ゴール ハンドサッカー:ヴァーチャルゲーム/ゴール
ハンドサッカー:リスタート
(6)リスタート
攻守交替。ゴールを奪われたチームのボール保持でゲーム再開。以降、(2)〜(6)を重ねて得点を取り合います。
ハンドサッカー:試合終了
(7)試合終了
前後半5分(または4分)が経過した時点で試合終了。合計得点の多いチームが勝利者となります。
 
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★大会情報!

肢体不自由校の対抗戦、肢体不自由校OBOGチームのトーナメントなどの大会も毎年盛大に開催されています。ハンドサッカーに興味のある方、ぜひご観戦、熱い応援を!
開催時期
開催地
大会
毎年2月頃
東京都
東京都肢体不自由特別支援学校ハンドサッカー大会
※東京都下の肢体不自由特別支援学校在校生の大会です。
毎年9月頃
東京都
ハンドサッカーフェスティバル
※肢体不自由特別支援学校のOBOGの大会です。
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★フォトギャラリー!

第5回を迎えた肢体不自由校OBOGチームのハンドサッカー大会!(2012年9月15日撮影)
東京都立墨東特別支援学校の在校生、OBOGチームの合同練習の模様を!(2012年9月8日撮影)
光明特別支援学校のOBOGを中心に結成されたハンドサッカーチームの定期練習です!(2012年6月30日撮影)
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