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■Contents2:雇用率が上がらない理由

ワッホー 企業も努力しているのに、なぜ雇用率が上がらないのでしょう?

工藤 やはり物理的なバリアフリーの問題が大きいのではないでしょうか。たとえば、建物。最近のビルはバリアフリー化を目的としたハートビル法でバリアフリーになっていることが多く、車いす用のトイレもあります。しかし、個々のオフィスを見ると、昨今はセキュリティ性を高めている分、ドアがスゴク重たくなっていて車いすを利用している方や腕の力の弱い方には開けられないなどの弊害も出ています。このようなことからも、採用したいが現実的には難しい問題がたくさんあるという状況ですね。
さらに知的障がいの方が得意としている比較的単調作業のような仕事はアウトソーシング化や地方などへの移転もあります。養護学校の先生からも「製造業の職場(工場)が少なくなってきている」ということをよく聞きますが、最近は工場が地方、あるいは中国などへ移転してしまうケースも多いので、移転とともに仕事がなくなってしまうということもありますね。

ワッホー 工場が地方や海外に移転してしまうケースが増え、障がいをもった方々の得意としている仕事が減ってきてしまっていると?

工藤 そうですね。そういう仕事を“切り出す(※6)”というのが難しいところです。

ワッホー 企業も採用しようという意識をもっていると思うのですが、なぜ、スムーズに切り出せないのでしょう?

工藤 どういう仕事を切り出して、どういう風に教えていくかということに対して、企業側がノウハウをもっていないということが大きいと思います。事務職での採用を希望する一般企業が多いのですが、障がいをもっている方々に事務の仕事をどうやって切り出すか・・・社内から集めれば一人分の仕事は作れると思うのですが、仕事の創造や、管理に別の一人分の工数が発生してしまいます。障がいをもった方を一人採用するために、別の一人分の仕事が必要となってしまうというのも課題なのではないでしょうか。

ワッホー 企業としてはためらってしまう?

工藤 そういうこともあるかもしれません。一人ひとりの机の中にあるシュレッダーしなければならない書類やお客様に出す封筒の宛名書きなども、集めれば、一人分の仕事を容易に創出できます。これらをしっかりと切り出してくることができるかどうかがポイントだと思います。

井上 当社の事例では、社員それぞれがアルバイトに頼んでいた発送の仕事の中の補助業務だけを全部切り出してまとめ、それらを集約することで、大きな「発送業務」とし、サプライセンター(発送センター)のような、新たな雇用を作り出せるというわけです。

工藤 一度障がい者雇用が成功すると、「労力として十分に期待できる」ということがわかって、二人、三人・・・と雇用が進むことはよくあります。最初の山さえ越えてしまえば、比較的よい流れとなるケースをいくつも見ているので、企業が雇用のノウハウを身に付けることで、さらに雇用状況は改善できるのではないかと思いますね。
 
※6 仕事を切り出す
企業内に数ある業務の中から、障がいをもった方々に適した仕事を見つけ出し、創出していくこと。
 
 
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